<p data-uid="R3S1kHVv" data-time="1786063531095">起業した後、最初にぶつかる壁はたいてい同じだ。</p><p data-uid="b0Xq0LrS" data-time="1786063531096">事業計画はある。サービスもある。でも——お客さんがいない。</p><p data-uid="2RjkTc74" data-time="1786063531096">SNSで発信しても反応はない。知り合いに声をかけても「いいね、頑張ってね」で終わる。「起業した」という事実と「誰かに必要とされている」という実感の間に、深い溝がある。</p><p data-uid="K0F8mgmS" data-time="1786063531096">カラキャンがこれまで取材してきた300名超の経営者・事業家の全員が、一度はその溝に立っていた。今回は取材の中から「最初の1人目」の話を集めた。派手なマーケティング論ではない、起業した時の等身大の話だ。</p><h2 data-uid="HFioxbD0" data-time="1786063531096" id="index_HFioxbD0">「退職の挨拶をしに行ったら、4件の依頼をもらった」</h2><p data-uid="QYn4jD9e" data-time="1786063531096">フリーランスへの転身や独立の話で、繰り返し出てくるパターンがある。「退職する日の人脈」が、最初のお客さんになるケースだ。</p><p data-uid="07ld_E6n" data-time="1786063531096">名古屋でキャリアコンサルタントとして活動する万出さん(ICC)は、結婚を機に名古屋に転居。しかし転職エージェントから「名古屋は製造業が強く、あなたのキャリアに合う求人はない」と言われてしまった。</p><blockquote data-uid="egIxnIrB" data-time="1786068427386"><p data-uid="sd9XUvjv" data-time="1786063531096">「次のあてがないまま退職することになって、退職の挨拶に伺った取引先の方々に『次が決まってないなら手伝ってよ!』と言っていただいたんです。思いがけず4件ちかくプロジェクトのお話をいただいて——これがきっかけでフリーランスの道を歩み始めました。」</p></blockquote><p data-uid="jzUXBKyL" data-time="1786063531096">退職する日、「終わり」のつもりで頭を下げた相手から「始まり」をもらった。</p><p data-uid="D6qelzzz" data-time="1786063531096">この体験が示しているのは、最初の1人目が来る場所はしばしば「前の場所」だということだ。前職の同僚・顧客・取引先——「あなたを知っている人」が、最初に動いてくれる。</p><figure data-uid="uqSDlwIu" data-time="1786063571926" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_d797e912-e7c9-4273-8a90-6a4ed0702930.png" alt="" width="" height=""><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="HgcFQZkx" data-time="1786063531096" id="index_HgcFQZkx">「最初の数ヶ月は収益ゼロ。半年後に月20万になった」</h2><p data-uid="7hvYds7a" data-time="1786068435596">「最初から上手くいった」という人は、取材の中にほぼいない。むしろ、「最初の数ヶ月は全然ダメだった」という話の方が多い。</p><p data-uid="WJc5eQAW" data-time="1786063531096">福岡でバックオフィス代行「URAKATA」を展開する吉田さん(LISH)は、独立当初をこう振り返る。</p><blockquote data-uid="DbU0D0C2" data-time="1786068440584"><p data-uid="fisFjXtd" data-time="1786063531096">「最初はWEBマーケティングの業務委託をしながら、アフィリエイトメディアをひたすら運営していました。月30〜40記事を自分で書き続けて、最初の数ヶ月は収益ゼロ。でも半年くらい経ったところから月20万になって、その後50万、100万、300万という感じで伸びていきました。」</p></blockquote><p data-uid="AuVCIlD7" data-time="1786063531096">「最初の数ヶ月は収益ゼロ」——これは失敗談ではなく、通過点の話だ。その数ヶ月を信じて続けられたのは、「どれくらいやれば変わるか」の見通しがあったからではなく、「やり続けることしかできなかった」という状況だったからかもしれない。</p><figure data-uid="f4ypuj6K" data-time="1786068488158" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/LISH-kazushi-yoshida" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_03f83f65-3109-4d91-acbc-9aa06602be74.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="GjR5QdbQ" data-time="1786063531096" id="index_GjR5QdbQ">「引きこもりとヤンキーが半々のチームで、IT系の下請けから始めた」</h2><p data-uid="fV1TuElY" data-time="1786063531096">「最初の1人目」は、必ずしも「お客さん」とは限らない。一緒にやるメンバーが集まること自体が「最初の1人」になることもある。</p><p data-uid="CEHEat0K" data-time="1786063531096">愛知県でIT企業を経営する青野さん(フリースタイル)は、起業の当初をこう話した。</p><blockquote data-uid="JOuvpI56" data-time="1786068495364"><p data-uid="h9lpa66G" data-time="1786063531096">「起業した当初、20人くらいのメンバーがいて、そのうち半数が引きこもり・オタク系、もう半数がヤンキー系だったんです。オタクの子に何が得意かを聞いたら『パソコン作業』というので、じゃあIT系でいこうという方向性に決めました。下請けの仕事を切り出してもらって、それを請けながらスキルを身につけていけば、未経験から手に職をつけることができるだろうという見通しがあって。」</p></blockquote><p data-uid="u2_PRe9T" data-time="1786063531096">最初のお客さんが来た理由は、サービスが優れていたからでも、マーケティングが上手だったからでもない。「この人に任せてみよう」と思ってもらえる信頼の積み重ねが先にあった。</p><figure data-uid="_IPEkaAW" data-time="1786067936091" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/freestyles_takeyoshi_aono" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_37282b68-168f-4239-99a2-c31318bc1bba.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="Iw0Z4IEZ" data-time="1786063531096" id="index_Iw0Z4IEZ">「断れなくて無理して受けた。それが失敗だった」</h2><p data-uid="u2VkczLk" data-time="1786063531096">最初のお客さんを「どう取るか」と同じくらい重要なのが、「どんなお客さんを受けるか」という問いだ。</p><p data-uid="3FbqUi3g" data-time="1786063531096">熊本で税理士事務所を営む平川文菜さんは、起業当初の失敗についてこう話す。</p><blockquote data-uid="efEc8jcL" data-time="1786068509594"><p data-uid="zVZ2of1S" data-time="1786063531096">「独立した直後は、とにかく断れなかったんです。『やります!やります!』という勢いで無理して受けてしまうことがありました。でも途中から様子がおかしくなってきて、泣きながらやることになって、最終的には断る形になる——そういうケースが重なりました。嫌な仕事こそなぜか時間がかかってしまうんです。」</p></blockquote><p data-uid="DSLhIDth" data-time="1786063531096">「1件目のお客さんを取ること」に必死になるあまり、自分が疲弊する仕事を引き受けてしまう。その経験から平川さんが得た信念は「嫌なことはしない」だった。</p><blockquote data-uid="nNZogCok" data-time="1786068513444"><p data-uid="EWhilwaJ" data-time="1786063531096">「この経験が、私の一番の信念になっていきました。どんなに最初は苦しくても、嫌な仕事を受けても最終的には上手くいかない。だったら最初から、合わないと思ったら断った方が結果的に良い仕事ができる。」</p></blockquote><p data-uid="I5GDvUQ_" data-time="1786063531096">「1人目を取る」ことより「正しい1人目を取る」ことの方が長期的には大事だ、ということだ。</p><figure data-uid="3x2xwZmT" data-time="1786067965101" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/fumina_hirakawa" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_1375a2eb-84b4-4bc7-84f4-5d6f2d9e905d.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="9LyDofga" data-time="1786063531096" id="index_9LyDofga">「大学のサークルでスポンサー営業をやってみたら、意外と取れた」</h2><p data-uid="HrTbclDX" data-time="1786063531096">「最初のお客さん」が来た理由を聞くと、多くの場合に「やってみたら取れた」という偶発性がある。準備が整ったから動いたのではなく、動いたから始まったのだ。</p><p data-uid="wJBZpFG5" data-time="1786063531096">ライブ配信事業を展開する鵜池さん(KIRINZ)は、大学のサークルで経験したことをこう振り返る。</p><blockquote data-uid="5yZpFMRj" data-time="1786063531096"><p data-uid="RCIDkTKl" data-time="1786063531096">「先輩たちを飛ばして自分たちでスポンサー営業をガンガンやってみたんです。そしたら——意外と取れたんですよ。そこからミスコンの主催・運営を本格的に始めて、当時のメンバーは100人規模になっていきました。」</p></blockquote><p data-uid="cB2fgMmT" data-time="1786063531096">「意外と取れた」という言葉の中に、起業の本質がある。誰もが最初は「自分に取れるかどうか」を知らない。やってみて初めてわかる。その「意外と」を体験する前に、「準備が足りない」「まだ早い」と自分にブレーキをかけてしまう人が多い。</p><figure data-uid="q3_PrIrv" data-time="1786067987578" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/kirinz-kota-uike" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_e9ca6f80-5570-4a73-a934-420acbbe2e6a.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="u0BUqEvS" data-time="1786063531096" id="index_u0BUqEvS">取材300名以上を経て見えてきた、「0→1」の3つのパターン</h2><figure data-uid="FrHlB8g8" data-time="1786068060982" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-107x150_0527d6c9-0eae-49d9-a436-c4aff3359efb.svg" alt="" width="642" height=""><figcaption></figcaption></figure><p data-uid="QF4f_sED" data-time="1786063531096">取材を重ねる中で、「最初のお客さんをどう取ったか」には大きく3つのパターンがある。</p><p data-uid="qWDQPcTT" data-time="1786063531096"><strong>パターン①「前の場所の人脈」</strong></p><p data-uid="W0J5k8Uh" data-time="1786063531096">退職の挨拶・前職の人間関係・かつての同僚。最初に動いてくれるのは「あなたを知っている人」だ。万出さんのケースがまさにそれで、起業前の信頼の積み重ねが、起業後の最初の1件を生んだ。</p><p data-uid="PAWBYeFV" data-time="1786063531096"></p><p data-uid="CzIolI_k" data-time="1786063531097"><strong>パターン②「やり続けていたら来た」</strong></p><p data-uid="gvTtEwSX" data-time="1786063531097">吉田さんのブログのように、最初は反応がなくても続けていたら来た、というケース。SNS投稿、記事、イベント登壇——積み上げが一定量を超えたところで問い合わせが来る。「来ないうちに諦める」のではなく、「来る前の状態を何ヶ月続けられるか」がポイントだ。</p><p data-uid="TE4OKOoh" data-time="1786063531097"></p><p data-uid="veYEi2K2" data-time="1786063531097"><strong>パターン③「動いたから見えた」</strong></p><p data-uid="FxoW91I3" data-time="1786063531097">鵜池さんの「やってみたら取れた」がこれだ。サービスや商品が完璧になってから動くのではなく、未完成の状態で動く。動いた後に「何が足りないか」「誰が必要としているか」が見えてくる。</p><hr data-uid="HWCoelw_" data-time="1786068555893"><p data-uid="EXwDvKg8" data-time="1786063531097">共通しているのは、「0→1」に正解ルートはないということだ。でも全員に言えることが一つある——最初の1件は、発信したり、動いたり、声をかけたりした後に来る。待っていては来ない。</p><p data-uid="aF92rQtH" data-time="1786063531097">カラキャンも、その「最初の1件」を取材という形で積み重ねてきた。最初の一人に頭を下げた日があるからこそ、今の300名という数字がある。</p><hr data-uid="SX71BPNW" data-time="1786063531097"><p data-uid="GXcnGHMB" data-time="1786063531097"><strong>AI時代だからこそ、一次情報を残そう。</strong></p><p data-uid="yU16utKr" data-time="1786063531097">カラキャンは、経営者や企業の魅力を可視化するインタビューメディアです。あなたの「最初の1件」の話も、誰かの背中を押す一次情報になります。</p><p data-uid="mfskInEO" data-time="1786063531097">▶ <a href="https://coloroncanvas.jp/contact" data-has-link="true">カラキャンへのお問い合わせはこちら</a></p><hr data-uid="4vl_CKMC" data-time="1786063531097"><p data-uid="ERYdPvZy" data-time="1786063531097"><em>関連取材記事:</em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/icc-manide" data-has-link="true"><em>万出さん(ICCコンサルタンツ)</em></a><em> / </em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/lish-yoshida" data-has-link="true"><em>吉田さん(LISH)</em></a><em> / </em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/freestyle-aono" data-has-link="true"><em>青野豪淑さん(フリースタイル)</em></a><em> / </em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/hirakawa-fumina" data-has-link="true"><em>平川文菜さん(税理士事務所)</em></a></p><p data-uid="Y_kOkyJ2" data-time="1786063520806"></p>