<p data-uid="gTGjV1CM" data-time="1785683390469">「スタートアップに就職しようと思ってる」「会社を立ち上げたい」——お子さんからそんな言葉を聞いたとき、胸の中にじわりと広がるのは不安ではないでしょうか。</p><p data-uid="RLt6EjHI" data-time="1785683373044">安定した大企業に入ってほしい。福利厚生が整った会社で、長く安心して働いてほしい。その気持ちはとても自然なものです。でも少し立ち止まって、今の時代に「安定」とは何かを考えてみると——答えは少し変わってくるかもしれません。</p><hr data-uid="9jyACX2G" data-time="1785683373044"><h2 data-uid="kvaeJlXZ" data-time="1785683373044" id="index_kvaeJlXZ">今、スタートアップ・中小企業への就職を取り巻く環境が変わっている</h2><p data-uid="7XDf6NIG" data-time="1785683373044">内閣府が2022年に策定した「スタートアップ育成5か年計画」では、2027年度までにスタートアップへの投資額を10倍に増やす目標が掲げられ、国を挙げて若者のスタートアップ参画を後押しする方針が明確になりました(<a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai16/shiryou4.pdf" data-has-link="true">内閣府 スタートアップ育成5か年計画</a>)。</p><p data-uid="ohKK4n6I" data-time="1785683373044">一方で、「大企業=安定」という方程式も揺らいでいます。厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」では、大卒3年以内の離職率が大企業(1000人以上)でも約26%に上ることが明らかになっています(<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html" data-has-link="true">厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況</a>)。会社の規模に関わらず、「自分に合った環境で成長できるかどうか」が、働く人の幸福度を左右する時代になっています。</p><p data-uid="nyT_SEDb" data-time="1785683373044">そして、中小企業やスタートアップで働く最大の特徴の一つが「早い段階から責任ある仕事を任される」こと。大企業では5年かかる経験が、スタートアップでは2年で積めるというケースは珍しくありません。</p><figure data-uid="eY58sFmM" data-time="1785683436856" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-115x150_86f95fd4-2a73-4ccf-a1d5-9a77aa656d6b.svg" alt="" width="629"><figcaption></figcaption></figure><hr data-uid="O9o_k75C" data-time="1785683373045"><h2 data-uid="BZQDAi1c" data-time="1785683373045" id="index_BZQDAi1c">「両親に早く楽をしてほしい」——起業した娘が語る、家族との絆</h2><p data-uid="Wxvh0njm" data-time="1785683373045">名古屋を拠点に、腸活・発酵食品ブランド「鬼糀-onikoji-」の製造販売と料理教室・発酵養成講座を手がける株式会社MUGENDAIの代表、鬼頭あずさんさん。彼女の起業の原点には、家族の絆と、両親へのまっすぐな愛情がありました。</p><h3 data-uid="SneISla5" data-time="1785683373045" id="index_SneISla5">料理人の父の背中を見て育った</h3><p data-uid="VsJJsakt" data-time="1785683373045">鬼頭さんの父は、名古屋・金山で43年にわたって居酒屋「こんどる」を続けてきた職人です。鬼頭さんは商売人の娘として育ち、幼い頃から父が毎日丁寧に作る焼き鳥のタレを食べて大きくなりました。</p><blockquote data-uid="aQlX28lz" data-time="1785683617879"><p data-uid="SYGJskhp" data-time="1785683373046">「両親が忙しいから、手っ取り早く美味しいご飯が食べたいときに食べるのが『タレご飯』でした。秘伝のタレで育ったわたし自身、ずっと『父ができなくなっても、これを商品として残したいな』って思っていたんです。」</p></blockquote><h3 data-uid="yrpkeO3u" data-time="1785683373046" id="index_yrpkeO3u">家族で火事を乗り越えた日</h3><p data-uid="h7JA0MZk" data-time="1785683373046">鬼頭さんが中学2年のとき、父の居酒屋が火の不始末で全焼するという出来事が起きました。怪我人はいなかったものの、長年積み上げてきたお店がゼロになった瞬間でした。</p><blockquote data-uid="_b5mrAce" data-time="1785683373046"><p data-uid="7g6t066w" data-time="1785683373046">「このときに家族会議をして、もう一度チームとなって頑張ろう、ということでお店を立て直しました。」</p></blockquote><p data-uid="6QSZ7H4E" data-time="1785683373046">その後15年が経ち、今度は立ち退きという壁が立ちはだかります。再び家族で話し合い、父は「これが最後だ」と決意して「こんどる♾️」として再オープンを果たします。一家が繰り返し危機を乗り越えてきた背景には、いつも家族で話し合い、チームとして動いてきた歴史がありました。</p><h3 data-uid="eJf14wER" data-time="1785683373046" id="index_eJf14wER">「もうこのままじゃやばいぞ」——娘が経営に入った日</h3><p data-uid="3KqSW2gG" data-time="1785683373046">個人事業主として料理教室を運営していた鬼頭さんは、母の体調不良をきっかけに実家の経営状況を見ることになります。そこには厳しい現実がありました。</p><blockquote data-uid="yGdThFz7" data-time="1785683373046"><p data-uid="Rd47Ba2H" data-time="1785683373046">「中を見てみたときに、『もうこのままじゃやばいぞ』という状況だったんですよ。父と母が体にムチを打ってやってる状態で、数字もほぼ赤字、利益も本当に取れていない。『いや、これはまずい』ということで、一番初めに父の調味料を商品にしたことが始まりです。」</p></blockquote><p data-uid="h7qkVpWY" data-time="1785683373046">父が43年作り続けてきた秘伝のタレを商品化し、発酵・腸活の事業として育てた鬼頭さんは、2025年8月、「とにかく両親に早く楽をしてほしい」という想いで法人化を果たします。</p><blockquote data-uid="mmaljSUB" data-time="1785683373046"><p data-uid="sTXDkYVD" data-time="1785683373046">「父の『生涯現役であのお店をやっていきたい』という希望を叶えてあげたいです。あのお店は売り上げを上げていくことよりも、父が最後まで現役でできる環境を私が今作れば、それが叶うんじゃないかなって思っています。」</p></blockquote><h3 data-uid="9kiSkoop" data-time="1785683373046" id="index_9kiSkoop">父は、今も師匠</h3><p data-uid="50otbIv7" data-time="1785683373046">鬼頭さんにとって、父は単なる「家族」ではなく「師匠」です。</p><blockquote data-uid="KHE3jrgw" data-time="1785683373046"><p data-uid="ncxnQvFu" data-time="1785683373046">「やっぱり近い存在ですし、父は私の中で師匠です。私も今、人に教える立場でありながらも、わからないことを父に聞いて教えてもらうこともあります。」</p></blockquote><p data-uid="Q2JwFj9P" data-time="1785683373046">商売人の父の背中を見て育ち、危機のたびに家族で話し合い、そして今、娘として父が一生働ける環境を作るために事業を動かしている——鬼頭さんの起業は、家族から離れるためではなく、家族のために、家族とともにあるものです。</p><hr data-uid="fvPkFFVh" data-time="1785683373046"><h2 data-uid="_rMMWede" data-time="1785683373046" id="index__rMMWede">「心配」が「応援」に変わるとき</h2><p data-uid="qBLfM_Zy" data-time="1785683373046">お子さんがスタートアップに就職したい、あるいは起業したいと言ったとき、親御さんが感じる不安の多くは「失敗したらどうなるのか」「将来が見えない」という恐れからくるものです。</p><p data-uid="3LDUFiv8" data-time="1785683373046">でも、鬼頭さんのストーリーが教えてくれることは、挑戦した子どもが家族に心配をかけるだけの存在ではない、ということです。商売人の父の姿を見て育ったからこそ、鬼頭さんは「健康が当たり前の社会にしたい」という信念を持ち、そして「両親に早く楽をしてほしい」と動ける人間になりました。</p><p data-uid="smK2aCIv" data-time="1785683373046">カラキャンがこれまで取材してきた300名以上の経営者の中に、「親の期待を裏切って起業した」と悔やんでいる人はほとんどいません。多くの経営者が語るのは、「あのとき親が応援してくれたから続けられた」という言葉です。</p><p data-uid="AL7Wf1WH" data-time="1785683373046">お子さんの挑戦を応援することが——それが、長い目で見たときに家族みんなの幸せにつながる道かもしれません。</p><figure data-uid="YR50L0Po" data-time="1785683679909" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/mugendai_azusa_kito" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_b4fd9c02-5d14-4595-a9ea-ab610b3632f1.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><hr data-uid="4WPjxVZd" data-time="1785683373046"><p data-uid="nl6hcSKS" data-time="1785683373046"><strong>AI時代だからこそ、一次情報を残そう。</strong></p><p data-uid="4PBmreHd" data-time="1785683373046">カラキャンは、経営者や企業の魅力を可視化するインタビューメディアです。AIはまとめることはできる。でも、その元となる情報は作れません——鬼頭さんのような経営者の「本音」と「物語」は、取材によってしか残せない一次情報です。「自社の想いを発信したい」という経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。</p><p data-uid="TbibMxpG" data-time="1785683373046">▶ <a href="https://coloroncanvas.jp/contact" data-has-link="true">カラキャンへのお問い合わせはこちら</a></p><hr data-uid="zm6v6ERx" data-time="1785683373046"><p data-uid="l6EtFf53" data-time="1785683373046"><em>取材記事:</em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/mugendai" data-has-link="true"><em>鬼頭あずさんさん(株式会社MUGENDAI)</em></a></p>