<p data-uid="Y0OZrAQV" data-time="1785668380649">「継いでくれ」と言われたとき、正直なところ乗り気ではなかった。 でも気がついたら「やるしかない」という状況になっていた。</p><p data-uid="IqpcOcSW" data-time="1785668380649">そんな経緯で会社を引き継いだ後継者は、実はたくさんいます。</p><hr data-uid="YBtQhNru" data-time="1785668380650"><h2 data-uid="e9uOaFDj" data-time="1785668380650" id="index_e9uOaFDj">今、日本の中小企業で何が起きているか</h2><p data-uid="BgaCxZHM" data-time="1785668380650">帝国データバンクの調査(<a href="https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250325-presidentage2024/" data-has-link="true">全国「社長年齢」分析調査(2024年)</a>)によれば、2024年時点で全国の経営者の平均年齢は60.7歳。60歳以上の経営者が過半数を占めており、34年連続で過去最高を更新し続けています。</p><p data-uid="DhnyKivr" data-time="1785668380650">中小企業庁の試算では、2025年には70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者が約245万人に達すると見込まれており、そのうち約127万社が後継者不足のまま廃業に追い込まれる可能性があるとされています。廃業が連鎖すれば、累計で約650万人分の雇用が失われるという試算もあります(<a href="https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/hikitugigl/2019/191107hikitugigl03_1.pdf" data-has-link="true">中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」</a>)。</p><p data-uid="wDQwKebB" data-time="1785668405502">「事業承継は他人事」と思っていた経営者も、この数字を見れば他人事ではないことがわかるはずです。では実際に承継を経験した当事者たちは、何につまずき、どう乗り越えたのか。2人の後継者の言葉を紹介します。</p><figure data-uid="nQsd5HOl" data-time="1785668416798" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-115x150_9df481fd-ded2-4a17-85ee-1bc52ee9e4cd.svg" alt="" width="627"><figcaption></figcaption></figure><p data-uid="yQO2qjOo" data-time="1785668419164"></p><hr data-uid="rF9pkMfH" data-time="1785668380650"><h2 data-uid="hNeULv1v" data-time="1785668380650" id="index_hNeULv1v">「能力的に無理だと思った」——三代目の本音</h2><figure data-uid="L5NFCjHi" data-time="1785668496017" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/ishizuka_hiroshi_kumagai" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_48ba5da8-33dd-435d-a43a-2a389ffe74c4.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><p data-uid="Dl4H57tO" data-time="1785668380650">創業70年・ビニールカーテン製造の老舗、石塚株式会社の三代目・熊谷さんは、継ぐことへの葛藤をこう振り返ります。</p><blockquote data-uid="vFYUCP5U" data-time="1785668429392"><p data-uid="dJpNUFhX" data-time="1785668380650">「若い頃は反発心というか、感情的に『やりたくない』という感じでした。祖父のお葬式の時に、どなたかに『君も色々な人の生活を背負うなんて大変だね』と言われたんです。それまで、社長をやるということは、人様の人生を背負うことになるとは想像していなかったので、それを聞いた時に『私には能力的に無理』と思いました。」</p></blockquote><p data-uid="UzU_sdpo" data-time="1785668380650">最終的に動かしたのは、就職活動中に父と交わした「賭け」でした。「第1志望が受かったら第1志望、ダメだったら継ぐ」——自分で言い出した言葉に縛られ、「やるしかない」という覚悟に変わりました。</p><p data-uid="VEHOq9qc" data-time="1785668380650">しかし入社してからも、壁は続きます。取引先で修行を積んでから入社した熊谷さんは、会社の改善点が気になり指摘を続けた結果、こうなりました。</p><blockquote data-uid="3szTcGKq" data-time="1785668434604"><p data-uid="TKypdvDf" data-time="1785668380650">「入社当時は石塚という会社の足りないと感じる点が非常に多かったので、ひたすら指摘していたら総スカンを食らったこともありました(笑)。でも仕事をしていて一定の結果を出してくると、『意地悪を言っているのではなく、本当にこうした方が良いと思って言ってるんだ』と理解を示してくれる人も増えていきましたね。」</p></blockquote><p data-uid="GcNvrKgp" data-time="1785668380650">「正しいことを言うこと」と「信頼を積み重ねること」は別物です。後継者に必要なのは後者であり、それは時間と結果でしか証明できない——熊谷さんの経験はそれを率直に示しています。</p><hr data-uid="Ir80GF4b" data-time="1785668380650"><h2 data-uid="xhs8HYFc" data-time="1785668380650" id="index_xhs8HYFc">「婿を探す確率より、自分で継ぐ方が現実的」——娘が会社を継ぐということ</h2><figure data-uid="TWyeK_tA" data-time="1785668548380" data-thread="" style=""><a href="https://coloroncanvas.jp/notes/do-pack_kisa_dono" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-1920x1080_v-frms_webp_aa953c8d-6e17-4267-8144-95d807d32bcd.png" alt="" width="" height=""></a><figcaption></figcaption></figure><p data-uid="YqvA62Bf" data-time="1785668380650">中小企業庁の集計では、「親族内承継」のうち娘・息子の配偶者(婿・嫁)が継ぐケースは全体の10%以下、場合によっては1%未満とも言われています。食品包装資材メーカー・株式会社ドゥパック阪和でアトツギとして働く堂野起佐さんは、父から「婿を見つけてこい」と言われた経験を笑いながら話してくれました。</p><blockquote data-uid="MZK00smB" data-time="1785669061222"><p data-uid="KgKMLgB4" data-time="1785668380650">「気になって調べたんですけど、婿で会社を継いでいるケースって全体の10パーセント以下、場合によっては1パーセントとも言われていて。じゃあ私は何パーセントの確率でそれを探せばいいんや!って(笑)。なので、結婚して夫の姓になったから堂野家は継げない。でも、ドゥパック阪和は堂野家の会社として私が継ぎます、と父には宣言しましたね。」</p></blockquote><p data-uid="C8kXwohW" data-time="1785668380650"></p><p data-uid="MtdUQHFI" data-time="1785668380650">覚悟を決めた堂野さんが今取り組んでいるのが、自社の製造技術を使った新商品開発です。性別・年齢・国籍を問わずに使えるサニタリーバッグ「シェルパック サニー」は、先代が築いた技術の上に、自分なりの「なぜこれを作るのか」を乗せた仕事です。</p><blockquote data-uid="29HXwvxA" data-time="1785668380650"><p data-uid="frtukXDZ" data-time="1785668380650">「強くてカッコいい経営者だけが正解じゃない。葛藤しながらも前を向く仲間たちへ——そんなメッセージを届けたいと思っています。」</p></blockquote><p data-uid="fGvvn05Q" data-time="1785668380650"></p><hr data-uid="T1KkopwC" data-time="1785668380650"><h2 data-uid="OMhZtDdR" data-time="1785668380650" id="index_OMhZtDdR">「継ぐ」ことは、新しい挑戦だ</h2><p data-uid="1rnDuN_a" data-time="1785668380650">熊谷さんも堂野さんも、最初は「継ぎたくなかった」「無理だと思った」という出発点でした。でも今は、先代が守ってきたものを土台に、次の時代に向けた独自の挑戦を続けています。</p><p data-uid="72HR8tVd" data-time="1785668380650">事業承継は「先代のコピーになること」ではありません。<strong>何を守り、何を変えるか</strong>——この問いと向き合い続けることが、後継者という立場にしかできない経営です。</p><p data-uid="GxqMgYLb" data-time="1785668380650">約127万社が廃業の危機にある今、その企業が持つ技術・顧客・雇用を次の世代につなぐこと自体が、社会的な価値を持っています。その過程で「自分がこの会社をどこへ連れていきたいか」を言語化することが、社内への信頼構築にも、社外への発信にも、そして自分自身の覚悟にもつながっていきます。</p><hr data-uid="zH7SoXH7" data-time="1785668380650"><h5 data-uid="fNrkw8OX" data-time="1785669048766"><strong>AI時代だからこそ、一次情報を残そう。</strong></h5><p data-uid="dsnzJGML" data-time="1785668380650">カラキャンは、経営者や企業の魅力を可視化するインタビューメディアです。AIはまとめることはできる。でも、その元となる情報は作れません。アトツギとして歩んできた経験・葛藤・覚悟——それは取材によってしか残せない一次情報です。先代から引き継いだものと、これから変えていくもの、その両方を記事として発信したい方はぜひご相談ください。</p><p data-uid="n4iVQyk7" data-time="1785668380650">▶ <a href="https://coloroncanvas.jp/contact" data-has-link="true">カラキャンへのお問い合わせはこちら</a></p><hr data-uid="SLEvP6qM" data-time="1785668380650"><p data-uid="Ma8_qGSD" data-time="1785668380650"><em>取材記事:</em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/ishizuka" data-has-link="true"><em>熊谷さん(石塚株式会社)</em></a><em> / </em><a href="https://coloroncanvas.jp/interview/dupak-hanwa" data-has-link="true"><em>堂野起佐さん(株式会社ドゥパック阪和)</em></a></p>