<p data-uid="ouGEd1SG" data-time="1781659505415">「担い手不足」を解消するだけじゃ、地方は変わらない——。</p><p data-uid="llhQI9lc" data-time="1781659505415">和歌山の山椒農家、鳥取のシャッター街。訪れるたびに見えてくるのは、目の前の課題に追われるあまり、誰も「その先」を描こうとしていない現実だった。</p><p data-uid="IygUttOB" data-time="1781659505415">光通信出身、株式会社ARSOM代表の内田直規さんは今、地方創生という壮大なビジョンを胸に、47都道府県を舞台にした仕掛けを動かしはじめている。起業の背景にあった葛藤、実際に地方を歩いて気づいたこと、そして10年間踏み出せなかった理由——正直に語ってもらった。</p><hr data-uid="jzPWd1lR" data-time="1781659719599"><h2 data-uid="kNtrpmgw" data-time="1781659505415" id="index_kNtrpmgw"><strong>前職の経験が、起業と事業の原点になった</strong></h2><p data-uid="P_E437sA" data-time="1781659505415"><strong>——まず、今どんな事業をされているか教えてください。</strong></p><p data-uid="PO5JmArr" data-time="1781659505415">営業戦略から伴走する営業代行とSES事業を行っています。どちらも「足りないものを補う」という点では似ているんですけど、僕がこだわっているのは「人で選ばれる」こと。「〇〇さんだからお願いしたい」という関係性を作っていきたい。その人がいなくなったら終わりではなく、その人がいることで地域との接点が生まれる、そういう仕組みにしていきたいんです。</p><p data-uid="n8EBITJj" data-time="1781659505415"><strong>——その事業に至った背景を教えてください。</strong></p><p data-uid="VzdHV4RE" data-time="1781659505415">昨年1月に前の会社に入社したのですが、会社の都合もあり、7月には独立することになりました。うまくいかない組織を間近で見て、「自分でやるしかない」と思ったのが正直なところです。</p><p data-uid="RA0xfN6R" data-time="1781659505415"><strong>——もともと起業したいという気持ちはあったんですか?</strong></p><p data-uid="aF1wfOmr" data-time="1781659505415">25歳くらいからずっとありました。でも10年間踏み出せなかった。</p><p data-uid="OowVLsAv" data-time="1781659505415">正直に言うと、3つの理由があって。1つ目は怖さ。食えるかどうかのビジョンが全く浮かばなかった。2つ目は甘え。会社員として、「目の前の業務をこなせば金になる」という状態に慣れすぎていたと思います。3つ目はラクしたかった。今振り返れば子どもだったなって思います。</p><p data-uid="NzD1t7vv" data-time="1781659505415">なので、「覚悟が足りなかった」の一言に尽きます。もう壊すしかなかった、という状況になって初めて動けた。でも逆に言えば、前の社長は反面教師として最高の教科書でした。今は感謝の気持ちさえあります。</p><p data-uid="QDJRguIP" data-time="1781659505415"><strong>——踏み切れた決め手は何でしたか?</strong></p><p data-uid="hC0iNbmP" data-time="1781659505415">妻が「やりたいんだったら、やれば」と言ってくれたのが決め手でした。</p><h2 data-uid="TOA2VkUM" data-time="1781659505415" id="index_TOA2VkUM"><strong>「担い手不足」は入口に過ぎない</strong></h2><p data-uid="NVAaLMro" data-time="1781659505415"><strong>——最近、和歌山や鳥取に足を運ばれたそうですね。現地ではどんなことを感じましたか?</strong></p><p data-uid="c68u4mxx" data-time="1781659505415">和歌山では有田みかんや紀州梅が有名ですよね。でも実は、僕も知らなかったんですけど、和歌山って山椒の生産量が日本一なんですよ。</p><p data-uid="lH6rRlcJ" data-time="1781682185771">しかもあの山椒、実は果物なんです。マスカットをちっちゃくしたような見た目で、種をピンセットで1粒ずつ取って出荷してる。だから100グラムで3,000円。手間が全部値段に乗ってる。本物の価値があるものが、ちゃんとそこにある。</p><p data-uid="hSuFnTsR" data-time="1781659505415">でも現地では「担い手が足りない」という話ばかりになってしまって。体験プログラムはやっているけど、それって目の前の問題に一時的に対処してるだけじゃないですか。仕事がある今は成り立っても、その仕事がなくなったらどうするの?って思ったんです。</p><p data-uid="Ukxmfm8m" data-time="1781659505415"><strong>——「入口はいいけど、出口が悪い」ということでしょうか。</strong></p><p data-uid="Nnh4rlly" data-time="1781682296014">そうです。人を迎え入れても、仕事がなければ結局「やっぱり苦しいな、辞めたいな」ってなる。それじゃ余計に魅力がなくなっていく。少しずつ何かを「補う(+1)」だけでは成長に限界があります。しかし、自分の能力や影響力そして環境の変化を「二乗」で捉え、今あるものに対して掛け算的に価値を掛け合わせることで爆発的に生み出すことができるようになるのではないかなと思いました。</p><p data-uid="jn8WoOSJ" data-time="1781659505415">鳥取も可能性を感じましたね。駅前の商店街はこの30年で65%減少しているけれど、変えたいと思っている人は確実にいる。企業誘致も進んでいて、あとは「その先」の仕組みを一緒に考えられれば、まだまだ面白くなれる街だと思ったんです。</p><h2 data-uid="tIWjVkNo" data-time="1781659505415" id="index_tIWjVkNo"><strong>若者が地元を変えたいと思えるかどうかが分岐点</strong></h2><p data-uid="qRzMRnve" data-time="1781659505415"><strong>——では、何が変わればいいと思いますか?</strong></p><p data-uid="HZelx8sN" data-time="1781659505415">鳥取で話した時に提案したのは、地元の女子高生とか中学生を、企業誘致した会社と接点を持たせてほしいということ。大人だけで考えていても、若者の感覚にはなかなか届かないんですよ。若い子が「鳥取ってこういう街だと思ってたけど、変えなきゃいけない部分があるな」って思ってくれたら勝ちじゃないですか。</p><p data-uid="wXQM2GXQ" data-time="1781659505415">「JK課」って知ってますか?福井県鯖江市役所が女子高生と一緒に地域活性化を考える取り組みで、ああいう発想が必要だと思う。地元に対してプライドを持てるか、ワクワクできるか。それがなければ、若者はどんどん出ていくと思います。</p><h2 data-uid="lPFvvkOc" data-time="1781659505415" id="index_lPFvvkOc"><strong>3つのやりたいこと、47都道府県への構想</strong></h2><figure data-uid="dCdXuUkM" data-time="1781659647653" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-1536x2048_v-frms_webp_2f171170-f51e-4f8d-b7c8-517b5b3db299.jpg" alt="" width="" height=""><figcaption></figcaption></figure><p data-uid="Wy4YwYyU" data-time="1781659505415"><strong>——会社として今後どんなことに取り組んでいくんですか?</strong></p><p data-uid="G5VsopCN" data-time="1781659505415">やりたいことは3つあります。</p><p data-uid="bsvqHL_p" data-time="1781659505415">1つ目は、47都道府県それぞれの「町をワクワクさせる」こと。SESや営業代行はその手段でもあって、地方自治体や地元企業と接点を作るための入口になっています。</p><p data-uid="48kIo4AQ" data-time="1781659505415">2つ目は、47人を採用すること。各都道府県に1人ずつ担当者を置いて、その人が地域の窓口になる。例えば鳥取担当の子が地域の企業と信頼関係を築いていけば、東京との橋渡しになれる。その子がいることで地元の企業の売り上げも上がるし、税収も増えれば次のステップとして行政とも組める。</p><p data-uid="v269MHgd" data-time="1781659505415">3つ目は、コンテストをやること。農産物・水産・畜産のカテゴリで、各都道府県のトップ3を決める。予選だけで1年かかると思うけど、それをやることで地域の誇りと発信力が生まれると思っています。</p><h2 data-uid="ZE1GZdCq" data-time="1781659505415" id="index_ZE1GZdCq"><strong>そのすべての原点にある、祖父の背中</strong></h2><p data-uid="CCLMZpmb" data-time="1781659505416"><strong>——地方創生にここまで向き合う原点は、どこにあるんですか?</strong></p><p data-uid="RT2Qer8D" data-time="1781659505416">幼い頃の夏休みといえば、祖父の畑での手伝いが何よりの楽しみでした。農家を営む祖父のもとには季節の行事ごとに親戚が集まって、大勢で囲む食卓の賑わいが当たり前のようにあって。あの頃の皆の笑顔が、今でも自分の原風景になっています。</p><p data-uid="9syeedFL" data-time="1781659505416">でも、そのそばに忘れられない光景がもう一つあって。曲がったきゅうり、大きすぎるトマト——規格外と判定された野菜たちが、売り物にならないという理由だけでドラム缶の中に次々と投げ込まれていく場面です。丹精込めて育てた作物を、自らの手で焼却しなければならない叔父の後ろ姿。声も出さずに涙をこぼしながら、それでも黙々と作業を続けるその背中が、子どもだった自分には何とも言えない重さで映ったんです。</p><p data-uid="fOmI96sP" data-time="1781659505416">どれほど真剣に向き合っても、「規格」という見えない壁の前では報われないことがある。その理不尽さと悲しさは、胸の奥深くに刻み込まれました。</p><p data-uid="mo325EPu" data-time="1781659505416"><strong>——その記憶が、今の活動につながっているんですね。</strong></p><p data-uid="1gV2E7gG" data-time="1781659505416">時代は変わって、規格外野菜への理解も少しずつ広がってきた。でも構造的な「理不尽さ」は、形を変えて今も存在していると感じています。かつて地方の暮らしを支えていた商店街が、大資本のスーパーやショッピングモールの台頭とともに次々と灯を消していく。地域に根を張って長年人々の生活を支えてきた個人商店や中小企業が、資本力という「規格」に弾かれるようにして消えていく。その構図が、あのドラム缶の煙と重なって見えるんです。</p><p data-uid="M_I40nJ6" data-time="1781659505416">「報われるべきものが、報われる社会をつくりたい」——そういう思いが、地方と人をつなぐ仕事への原動力になっています。</p><figure data-uid="CMmA_aYF" data-time="1781659663985" data-thread="" style=""><img src="https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/91aPl639al/s-1536x2048_v-frms_webp_52493e8f-2614-4309-84a8-60bb38116b1a.jpg" alt="" width="" height=""><figcaption></figcaption></figure><h2 data-uid="vb3zxaUW" data-time="1781659505416" id="index_vb3zxaUW"><strong>「作っては壊し、作っては壊す」が自分のスタイル</strong></h2><p data-uid="H7KYBszi" data-time="1781659505416"><strong>——起業して約10ヶ月、今の率直な気持ちを教えてください。</strong></p><p data-uid="YvCZX3By" data-time="1781659505416">起業してから、コネゼロ、ど新規で営業だけで事業を作ってきました。正直しんどい時もあります。でも、会社員時代より楽しいですね(笑)</p><p data-uid="LjmVbwrr" data-time="1781659505416">会社員の時は自分が売っているサービスや会社に対して、思いをリンクさせないと!という無理矢理な縛りがありました。今は自分がやりたいことをやっている感覚があります。アイデアが浮かんだらとにかくやってみる、という人間なので、それが素直に合っています!</p><p data-uid="Yt0EIA7b" data-time="1781659505416"><strong>——どんなクライアントや仲間と仕事がしたいですか?</strong></p><p data-uid="M8cUrxOA" data-time="1781659505416">クライアントは、これから一緒に成長したいという会社が一番いいですね。ある程度できあがった組織より、まだ営業組織を作っていくフェーズにある会社の方が燃えます。泥臭いことが大好きなので、「作っては壊し、作っては壊し」が自分のスタイルです。</p><p data-uid="rxTpXN_S" data-time="1781659505416">一緒に働く仲間は、地方を盛り上げたいという気持ちがあれば、やりたい職種はなんでも良いです。自分の得意なポジションで戦ってくれれば、その地域の企業も、地域も、うちも、全員がワクワクできる。そういう関係を1つ1つ作っていきたいですね。</p><p data-uid="2v7NdNdT" data-time="1781659505416">まだ道のりは長いですけど、若い頃から変わらずやりたかったことが、ようやく形になってきた。それが今、一番楽しいです!</p><hr data-uid="cq1oWzu2" data-time="1781659505416"><p data-uid="MDS2HFVY" data-time="1781659505416"><strong>内田 直規(うちだ・なおき)</strong> 株式会社ARSOM 代表取締役。光通信出身。SES・営業代行事業を展開。「情熱と夢で世界にワクワクを届ける」をミッションに掲げ、地方創生をライフワークと定め、和歌山・鳥取など全国の地方自治体・企業との接点づくりに奔走中。47都道府県を舞台にした地域ブランディング・採用・コンテスト構想を進めている。</p><div data-type="table" data-uid="z0XGJxkg" data-time="1781659510652" data-margin-left="" data-margin-right=""><table style=""><tbody><tr data-uid="nMfuvIeF" data-time="1781659510652"><th data-uid="trT4l66K" data-time="1781659510652" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="sGqrkbCh" data-time="1781659505416">会社名</p></th><td data-uid="9Ub8pf6S" data-time="1781659505416" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="EAyMGut8" data-time="1781659505416">株式会社ARSOM</p></td></tr><tr data-uid="xqdi6Sh8" data-time="1781659510652"><th data-uid="rw83dPWg" data-time="1781659510652" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="6SvbiA8l" data-time="1781659505416">代表者</p></th><td data-uid="DMaI1HN5" data-time="1781659505416" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="1OHvPepa" data-time="1781659505416">内田 直規</p></td></tr><tr data-uid="wYOJJ_OY" data-time="1781659510652"><th data-uid="yRk6odM3" data-time="1781659510652" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="ufc_LSKw" data-time="1781659505416">住所</p></th><td data-uid="MknzztaG" data-time="1781659505416" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="MvBtDXKE" data-time="1781659505416">〒108-0075 東京都港区芝浦2-14-18</p></td></tr><tr data-uid="kU9Z6pc9" data-time="1781659510652"><th data-uid="Eglls9lS" data-time="1781659510652" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="fMTBsc8y" data-time="1781659505416">URL</p></th><td data-uid="Crzuj6Mv" data-time="1781659505416" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="hbjSsO4f" data-time="1781659505416"><a target="_blank" href="https://arsom.jp/" data-has-link="true" rel=""><u>https://arsom.jp/</u></a></p></td></tr><tr data-uid="Vo4C_cN3" data-time="1781659510652"><th data-uid="bsOcr96l" data-time="1781659510652" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="UvgxxSxF" data-time="1781659505416">SNS</p></th><td data-uid="kukrRjxJ" data-time="1781659505416" colspan="1" rowspan="1"><p data-uid="nhNmtpsT" data-time="1781659505416"><a target="_blank" href="https://www.facebook.com/Naoki.Uchida.21" data-has-link="true" rel="">https://www.facebook.com/Naoki.Uchida.21</a></p></td></tr></tbody></table></div>